農する美容師脳

Herb products

そもそも、美容師である僕たちが農する事になったいきさつは、前回のブログにも書いた通りで、まず、生きていくうえで必要最低限の「食」をどこまで自分たちで賄うことができるか、自分たちのホモサピエンスとしての生活能力を知っておく必要があると思ったから。
きっかけとしたら、何だか硬派な感じなんだけども、実際やってみたら本当に面白くてどんどんエスカレートしてきている(良いことか悪いことなのか…)と言うのがほんとのところ。
因みに、僕は植物のある風景を作るのがとても好きなのと、発芽~苗の大きさくらいまでの植物の管理が大好きです。(可愛らしいのはもちろんなんだけど、厳密にいうとそれくらいの時期の植物の質感や色が好き)
嘘だと思うなら、騙されたと思ってやってみたらいいです。ちょっと大根が芽を出してくれただけで、あなただって小躍りしちゃうこと請け合いだから。
そんなタイプだから、種が発芽していいところまで育つともう他の種に興味が移ってしまう。
逆に妻は収穫に情熱を注ぎこむタイプなので、農する夫婦としては良いバランスかなと思ってます。

結局のところ、土に触れ、植物とともに居るということが僕たちは性に合ってるし、好きなんだと思うのと、人間にとって、ヒト以外のひとたち(植物とか虫とか動物とか)とのコミュニケーションもすごく大事で、そういうのとうまく付き合うことは僕たちの成り立ちに(こころやからだに)意外と大切なことなんじゃないかな?と思ってます。
なので、四の五の言ってみたものの、単純な言葉にすると、植物を育てることに限らず、僕たちの選択基準は「好き」かどうか。「性に合う」かどうか。「楽しめるか」どうか。なのかなぁと。
そんなこんなで、今となっては好きで農する美容師として、ここ男木島に根を張ってる次第です。

もちろん、僕たちのやろうとしてることや、やっていることはコミュニティーや環境保全の一環になるかもしれないし、オーガニックで丁寧に育てたものを食べることは健康にもいいことだと思うけれど、自分たちの「好き」や「心地よい」、「楽しい」を優先させた中で最大限、環境やコミュニティーに貢献できることを選択するといった順序で意思決定してるというのが正しい順番。
だってほら、すべてをこの世界に捧げれるような聖人君子に比べたら僕たちほんのヒヨッコなんだから。ほんとに。

今回の1つ目と2つ目の動画の畑は、集落の中の家屋が建っていた跡地をきれいに見せるというコンセプトがあって、過疎化と、今後のより一層の人口減が考えられる場所で、手数が減っていく中、景観を維持させてゆけるものは何かなぁ。と考えたのが、廃墟の上に実用的かつ素敵なエディブルガーデンを作ってしまう計画。
自分たちの仕事と関連付けることで、景観維持をするための時間=仕事時間となり、「好き」な仕事とコミュニティーへの貢献を同時進行させれるというメリットがある。
また、人が減ることに比例して管理できる範囲は減ってゆくので、できるだけコンパクトなエリアで自分たちの食や仕事を賄えるようにすることも集落のエディブルガーデン化の目的の内だ。

よく、都市を農園化するドキュメンタリー映画があるけれど、こういう場所もそれに似て、瓦礫が多かったり、良い土が無くて、土を別の場所で作ったり、山の腐葉土を運び入れたりする必要がある。大体の植物を箱植え栽培して育てている。
海の見える田舎で屋上緑化的なことをしてるような、なんとも不思議な感覚に苛まれることは多々あるが、手を付けて3年目、試行錯誤しながらだけど、野菜をスーパーで買うことはほぼなくなったし、ハーブ製品やバールへの供給も事足りてて、まずまずの出来と言ってもいいだろう。

この動画の山の中の畑は民家とは少し離れている(周りの畑や住民に雑草の処理に関する説明と説得が必要ないのです)のと、収量を気にしない作物を育ててるので、いろいろと実験的にやりたい放題ってのが実情。
こちらも試行錯誤しながらではあるけど、去年はどっさり生姜を収穫できたし(我が家の薬味の贅沢使いっぷりったらものすごいんですから)上々の滑り出し。
悩みと言えば、草の管理。夏場になると1週間も放置すると、作物がどこにあるかわからなくて、蚊の恰好の餌食になりながら、這いつくばって草取りをしなくてはいけなくなる。
今年はその対策として、弊社では初めての農作業用電動機器としてバッテリー式の草刈り機なるものを購入した。まさか、人生の内で草刈り機を購入する日が来るなんて、ほんの数年前まで夢にも思わなかったのに…
まぁ、これでずいぶん快適にはなっているので買って正解。
それでも、やはり集落から離れるほど大地のワイルドっぷりが上がることは一目瞭然で、管理は大変。
草の管理面の対策も含めて、この秋からは少し栽培方法を変えて、炭素循環農法なるものにチャレンジしてみようと考えている。

また、来期の楽しみとしては、少し広い面積で作付けできるコメを育ててみようと思っている。
広い敷地を山と集落の間で管理することで、集落の劣化を食い止めることにも繋がってくるのではないかと淡い期待も込めながら…
川の無い男木島でのコメ栽培には、もれなく失敗が付いてくることは疑う余地はないだろうが、まぁ、何とかなるだろうと、楽観的過ぎるかもしれないけど、今からこのプロジェクトをワクワクしている。
米をがっぽり作れるようになったら、僕はもう経済活動や、その他諸々の社会性のある営みからフェイドアウトしてしまいそうな予感に、自分でも少しビビってますが…(今はちょいちょい働いて、2週に一度くらいは街に出て都会の風を感じて生きてますから)
それにしても、美容室で使うハーブを育て始めた結果、3年後には山の中で米を育てることになるんだから、僻地離島の魔力ってすごいですよね。
ほんと感心しちゃいます。

ここまで読んでもらって「ヘアスタイル」の「ヘ」の字も出なかった訳ですが、そうなんです。
ここでおしまいです。
そのうち、「島人、美容を語る」記事も書けたらいいなと思ってるので、乞うご期待。

それでは、最後まで熟読して下さった熱烈な読者の皆さんなら、必ずお手元に象と太陽社のハーブティーがあることと存じますが、このブログを読んだ後のハーブティーの味は格別なこと請け合いなので、ぜひ一服お楽しみください。(万が一にもお手持ちでない方は、ぜひともネットでポチっとしてください。僕たちの試行錯誤の塊みたいなのが、あなたのポストに届きます。)

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