持つことと持たないことと。

象と太陽のこと

島でも冷え込む日が多くなり、常用の薪ストーブ以外に、補助的に使う灯油ストーブに火を入れる日がチラホラ出始めました。
本格的な冬の訪れを感じるとともに、この一年が終わってゆく実感が湧いてきます。
皆さんにとって今年はどのような一年だったでしょうか?
僕たちの2021年を振り返ると、精神面でも物質面でも大きな転換期であったと感じます。

男木島に越してくる以前から、僕たちは必要最低限しか持たない暮らしを選択し、実践してきました。
コロナ禍を通じてこの暮らしは、より実感と意義の伴ったものになりました。
僕たちの物やお金に振り回されない暮らしとは、必要な食料を農業や物々交換でまかない、必要最低限の収入を自分たちの得意なことや好きなことで得ることで、必要な物やサービスを利用して生活することです。
自ずと、税金など支払うべきお金も小さくなります。
また、お金の流れ、物の流れを小さくしてゆくことで、環境などへの負荷も小さくて済みますし、お金ではやり取りできない与え合いの経済、ギフトエコノミーが発展したりもします。
自分の支払った税金の行方に気を病んで憤慨することもなければ、身の回りの小さな出来事一つ一つに感謝できる、精神衛生上有利な生き方でもありました。
そして、そのような生き方から幸せの原石みたいなものを手に入れた気がしています。
一方で、お金や物の流れを小さくしてゆくことは、それに付随していた、「ひと・こと・もの」も小さくしてゆくことでもあります。
例えば、支払う税金が少ない分、社会に還元できることも小さくなります。
物を買わない暮らしは、丁寧なものづくりをされている方たちの暮らしを応援できないという一面もあります。
今年、そのようなことを象徴する出来事がありました。
僕たちは以前から子どもの貧困の改善に寄与できるような取り組みに興味があり、いくつかのプロジェクトを支援したことがありました。
そのような経験から、ようやく農業にも少し慣れてきたこともあり、フードバンクや子ども食堂に寄付する作物の栽培を始める準備に取り掛かろうとしていました。
そんな矢先に、寄付先の担当の方から、「多くの人がこのような申し出をしてくれるが、うまく行ったことが殆ど無い。作物ができてから連絡をして欲しい。」と言われました。
正直その時は腹立たしい気持ちになりました。
しかしながら、今考えると、この一言が僕たちの思考の一大転換を促すきっかけとなったのでした。
今となっては、正直に話してくださった担当の方には感謝の気持でいます。

持たない暮らしをしながら分け与えることは並大抵のことではありません。
人手だって必要だし、種や、苗や、農機具やその他色々なものも必要です。
今はなんとかなっていても、3年、5年とするうちに新しく買い替えたりもしなくてはなりません。
そもそも、離島から作物を送るのだってお金がかかります。
そういうことを長期的な目線で真剣に考えた時、僕たちにはしておかなくてはならないことがあったのです。
それは、お金の流れを大きくすることです。
そして、お金について学ぶことでもありました。
賄賂に使われるお金もただの紙切れ、ただの数字です。
必要なところに差し出される善意の寄付だってただの紙切れであり、数字の羅列でしかないのです。
そう、お金には良し悪しはなく、ただのツール。違いがあるとすると、使う側のマインドです。
僕たちはそのようなマインドに達しているだろうか?
どのようにお金を扱うと幸せになれるだろうか?
また、多くの人の幸せに寄与できるだろうか?
長い時間をかけて、自問自答し、夫婦で話し合ってきました。
そして、僕たちは僕たち自身に対して、「お金の流れを大きくしても良い」という許可を出しました。
多くの方に喜ばれる仕事を通して、多くのお金を得ることで、多くを還元してゆく。
いかに得るかも本当に大切ですが、それ以上にいかに使うかを重視して、お金が流れた結果、幸せになる人が多くなるような流れを生み出してゆきます。
これが今後の僕たちの目標となりました。
これからどんな変化が訪れて、どのような未来になってゆくのか?
ドキドキ・ワクワクがとまりません。
ぜひぜひ、今後の象と太陽社に注目しておいてください。
それでは、今年一年のとびっきりの感謝を込めて…

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