メルマガとブログが頭の端の方で引っかかって、パタパタ揺れてる音を度々聞いてはいたものの、高速で走る列車の中から見える景色の感想を伝えようにも、目まぐるしく変わる景色に言葉がついてゆかないと言ったような状況が続いていて、今もなおそんな感じなのです。
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さて、単刀直入に申しますと、私ども、この度ホテルを作ることにいたしました。
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なーんて思いが少しでも頭をよぎったあなたは、少し、今後歩む道を疑ったほうがいいかもしれません。
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まぁ、なにはともあれ、またまた古民家の修復と言う禁断の果実に手を付けてしまったのです。
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サラッとした秋晴れの心地よい午前の日差しの中、畑仕事の合間に、ご近所さんとの談笑中「この家よかったら使ってよ」と言う思わず耳を疑ってしまう言葉により事態は動き出したのです。
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男木島の家は段々の石垣の上にポンッと置くように建てられているため、海からの強い潮風をまともに受けます。
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そこで家と家を密集させ、ギュッと詰まった設計にすることで潮風や台風などの災害から集落を守ってきました。
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そのような理由で、集落内に廃墟ができてしまうと、城壁にぽっかり穴が空いたように、風の通り方や雨の吹き込み方、水の流れが変わり、周辺の家も劣化が早まり、結果、集落全体に影響してゆきます。
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島に1000人もの人が溢れていた最盛期は、戸数の分母を増やすことのできない島の地形上、空いてる家はなく、どの家も民家としてフル稼働していました。
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高齢化、過疎化が進んだ集落に廃墟や空き家が目立つようになってきた近年。
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空き家を維持することが集落全体を維持する上でも急務となってきました。
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そのような経緯もあり、うちの隣の廃墟化しつつあった古民家の持ち主である、ご近所さんから、いわし雲漂う秋晴れの朝、めでたく僕にオファーが届けられたのでした。
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そこから工事スタートまではこれぞトントン拍子!!というように事が進んでゆきました。
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建物や運営のテーマも、サーキュラーエコノミー※をベースにして、島の資源を繰り返して使い続けてゆくことを、新しいラグジュアリーの提案としました。
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そして、ホテルの名前を「レモンツリーホテル」とし、プロジェクトが動き出したのです。
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当初、大家さんから声がかかった頃は、「宿泊施設にでもして早めに収益化に持ってゆこう!!」
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「石の上にも3年。島ぐらし7年目にしてようやく僕達も認められてきたのではなかろうか。ふむふむ…」なーんて簡単にたかをくくっていたのです。
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そう、魔の古民家に本格的に足を踏み入れるまでは… 次回に続く。
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※サーキュラーエコノミー・・・「循環経済」とも呼ぶ。 製品、素材、資源の価値を可能な限り長く保全・維持し、廃棄物の発生を最小限化する経済システム。
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