振り返ってみて、クラファンを期にスタートしたこの1年は、多くの失敗を経験してゆく意味のある期間だった。
家族・友人・仕事・お金・幸せ…人生において大切なことを本当に考えて考え抜いた一年だった。(普段考えてない分、しわ寄せだったという説が有力ではある…)
考えてみたら、安心して眠りに就いたことがほぼ無かった。気が付けば真夜中に目が覚めて、思いついたアイデアを書き留めたり、パソコンで検索したり、何度も現場に確認に行った。
気が付いてみたら、ただひたすら、自分が描いた線路から外れないように、ただ必死になっている自分がいた。
何のためにこんなことを始めたのか?そもそも忘れてしまっている自分がいた。
家族との時間も減り、子供たちと遊ぶ時間も減り(と言っても、夏場の1日30分の子供たちとの海水浴は欠かさなかったという、こだわりは捨てていなかった事は、一応名誉のために書き留めておこう)仕事を楽しむことさえ忘れていた。
情熱がないところに出口はない。
多くの方に相談して、悩みに悩んだ挙句、出した答えは一番情熱の持てる事だけに一点集中すること。それでもダメだったらまた考えたらいい。
一気に肩の力が抜けて、新しい道が見えた気がした。
僕は豊かさや幸せをシェアしたいと思ってこのプロジェクトを始めた。
人生の中に少しだけ自分と繋がる時間を持てたり、自然と繋がる瞬間を楽しんだり、癒しが必要だと思った。
それは、well-being権みたいなもので、みんなに平等にあるべきだと思った。
そんなものをつくりたいと思っていた。
それをつくる事にこだわりすぎて、幸せでない自分がつくられた。
幸せを売りたい人間が幸せでないなんて出来の悪いコメディーにもならない。
何かを新しく作る。もっともっと拡大する。そう言うことにとらわれて、今あること。十分に豊かであることが見えなくなっていた。
豊かさは豊かさの上にしか積みあがらないと思う。
幸せは幸せでないとシェアできない。
僕は自分が一番幸せで熱中できること、「植物に囲まれた素敵な風景をつくる」事を提供することで、人を癒したり幸せを感じてもらえるサービスを届けることができる。
もし、失敗しても、それさえあれば、また何とかやっていける。
肩の力が抜けて、目の前の空と海を見たときの美しさは素晴らしかった。
さて、ここまで書き進めてきて、最後はみんなで共有できる、楽しい未来について書こうと思う。
レモンツリーホテルは、安部さんの設計をマスタープランとして、長いことかけてみんなで仕上げてゆくことにした。
完成のない、いわばサグラダファミリアだ。
つくる事を楽しむ未完成ホテル。
そこには夢がいっぱい詰まっている。そして、みんなの夢もいっぱい詰める余地がたくさんある。
先日完成したデッキは、グランピング施設として、11月中に運用を開始する。年内にはキッチン、トイレ、シャワールームが新設される予定。
それと同時に、グランピングデッキにつなげた、ヘアサロンの2Fの部屋を寝室とした民泊もスタートする(今から申請だ)。
どの敷地にも、グリーンと最高の景色を用意する。
そこは、ここにしかない、「繕うことのラグジュアリー」と「ラグジュアリーなホスピタリティー」で満たされている。
そのうち、メインとなる古民家棟も、多くの方々と一緒に宿泊できる許可が取れるラインを超えれることだろう。
それも楽しみだけど、やっぱり今をじっくり楽しみながら、先の楽しみに向かって少しずつ味わうように進めたい。
2期目は、このプロジェクトを一緒になって運営してゆける仲間を探そうと思っている。それは合同会社をつくった所以でもある。
立ち止まることでしか見えない豊かさを感じながら進めたい。
最後に、このプロジェクトを支えてくれている多くの方々に、最大の感謝を述べたいと思う。本当に皆さんお一人お一人の気持ちが嬉しくてならない。ぴょんぴょん飛び上がりたいくらい。
そして、じっくり伴走してくれている、安部良さんはじめ、安部アトリエの皆さん。男木島のサグラダファミリアを楽しんでもらえたら何よりです。
また、プロジェクトメンバーとして、ずっと支え続けていただいている、かわだゆきみさん、横山昌太郎さん、岡田徹太郎教授。陰から最大限応援してくれるまり姉さん。
クラファンやサイト構築にあたり惜しまず協力してくれた島民の方々。大変な基礎工事を請け負ってくれた、八重さんと溝淵さん。工事を手伝ってくれる皆さま。
クラファンや事業に協力していただいている、島内外の様々な事業者さん。
プロジェクト運営の無理難題に対していつも前向きに対応してくださる、税理士の藤澤さん、内山さん、司法書士の川井さん。
不動産関係の相談に乗ってくださる西村さん。
いつも親身に新たなアイデアをくれる香川大の永冨先生。
ここぞというときにプロジェクトの強力なサポートをしてくださるレクザム馬場さん、香川ブルワリーさんと谷澤さん。
大変な施工に付き合って下さるダイワハウスさん。
そして、前項でも書いた、平等院の宮城さん。
また、いつも前向きなアドバイスを下さる、ことでんの真鍋さん。
ここでは言い表せない気持ちでいっぱいです。
最後の最後に、いっつも支えてくれる妻と子供たち家族に最大の感謝を込めて、1年の報告を終わりたいと思います。
皆さまと蒔いた、この1年の種が、この先芽吹いて幸せが多くの方に届くことが楽しみで待ちきれません。
また、2期目もレモンツリーホテルプロジェクトと象と太陽社をよろしくお願いいたします!!
感謝を込めて…
ケンタロウ・クミ